キブツからみるイスラエルの農業と生活(りん)

Farm Report vol. 8 Kibbuts Naan in Israel

 

*ヨルダン編は終了し、今回からイスラエルパレスチナの農業事情になります🌱

 

 

今回、イスラエルの友人からキブツ出身の人を紹介してもらい、そのキブツを案内していただいた。

parking lot

キブツとは?

すべての資産、生産、消費、育児などを共同化するという一種のコミューン組織。帝政ロシアの迫害から逃亡してきたユダヤ人たちが、パレスチナのガラリア湖畔に共同体を作ったことがはじまりだという。

近年、一部のキブツは民営化されており、共同化にはグラデーションが生じてきている。当初は農業を主体とした共同体であったが、多様な事業を行う産業集団となっている。キブツ内に工場があるところも多い。

 

ロケーション

Naanの人口は500人ほど。テルアビブから南東部に車で40分程で到着する(ちなみにパレスチナ自治区のラマッラからまっすぐ西へ行くと1時間ほどで着くが、ボーダーが解放されないと一般人には無理なルートだ…)。

生活

キブツ内の建物は低く、最大でも2階建て。走り回れそうな広い草原もある。

 

郵便局

ポストは各家に置かれていない。代わりに毎日郵便局に行き、郵便物があれば取りに来るという。小規模なコミュニティだからできることだろう。

 

共有ダイニングルーム

週末にコミュニティのメンバーが集まって食事をする場所。初期キブツでは、それぞれの家にダイニングルームはなかったため、このような共有の場所で食事をしていた。しかし現在は個人主義化も進み、各家にダイニングルームがあるため、ここに来る人は少ないそう。

dining room

どうやらバーもある。

 

共有洗濯機

キブツには共有の洗濯機が設置されている。コインランドリーみたいなイメージだろうか。

 

キブツで育つ子供たち

子供たちは子供たちだけの家で過ごす。教師はいるが、生みの親は子育てをしない。子どももキブツで共有されているからである。子供たちはみんなが同じデザインのシャツを着るそうだ。16-18歳になると、1人で暮らすようになる。イスラエルには兵役があり、兵役とともにキブツ出身の若者はキブツを離れることが多いが、結婚とともに戻ってくるケースが多いそう。

産業

このキブツ内では、電子レンジ部品の作成の工場や、アボカドなどの農産物、乳牛の生産が主産業である。

なおイスラエルの食料自給率は非常に高く、パレスチナをはじめ輸出がされている。日本でもスーパーでオレンジやグレープフルーツを探すと、大体イスラエル産だ。農作物は4割ほどがキブツで生産されている。

avocado

工場

工場での労働者はキブツ居住者のみならず、アラブ人を含めたキブツ外の人でも構成されている(イスラエルの市民権を持つアラブ人はIsraeli-Arab、48-Arabと呼ばれる。1948年戦争で他地域に避難せず残っているパレスチナ人のことだとされる)。

factory

乳牛

280頭の牛がいる。1頭当たり1回で15-30Lの乳が搾れる。

牛の体には電子機器がとりつけられており、各牛の年齢、病気の経歴、妊娠した日、搾乳した日が記録されている。牛肉のトレーサビリティ管理の一環だろうか。

搾乳したものは、乳牛会社に送り利益を得るか、他のキブツと物々交換をするそう。物々交換では、牛乳を渡す代わりに牛の餌になる藁を獲得するそうだ。前者に関してはやはりこのキブツも近代化されてきていることがわかる。

 

以上キブツNaanの概観を紹介した。数時間の滞在であったため踏み込んだ話はできなかったが、キブツが近代化されてきていること・イスラエルの産業にも重要な位置を占めていることはなんとなくわかった。

 

なお、途中気になったこと。トイレ掃除の仕事はcoloredが多い気がする。空港などテルアビブでは、アフリカ系、アジア系の人が清掃員であるのをよく見かけた。多様なバックグラウンドを持つユダヤ人が多く居住する中、すみわけがされているかなど気になることがけっこうあった(ちゃんと調べたらここに付け加えて書きます💦)。

 

(りん)

Alia Ecovillageでアップサイクルを知る(ヨルダン・りん)

Farm Report Vol.7 Alia Ecovillage in Jordan [English follows]

 

Facebookで調べて気になっていたアリアエコビレッジに訪問。まだ建設途中だったが外観を見せて案内してくれた。

Visited Aria Ecovillage, which I had looked up on Facebook and was curious about. It was still under construction, but they showed me around.

 

 

ロケーション/Location

アンマン中心部から車で50分程。運転しない場合はTAXIが便利(ヨルダンはTAXIがリーズナブルだけど観光客はぼっらくられやすいから、乗るときはメーターが作動してるかチェックすること)。

About 50 minutes by car from the centre of Amman. Taxis are convenient if you don't drive (Taxis are reasonable in Jordan, but tourists tend to get ripped off, so check that the meter is working when you get in).www.google.com

前の記事でもサルトのファームを紹介したが、ヨルダンの西北部は農業が盛んなところ。南部・東部は砂漠なので、人口も少ない。

As mentioned in a previous article about the farm in Salt, the north-west part of Jordan is a farming area. The southern and eastern parts are desert and therefore less populated.

 

持続可能な暮らしを/Sustainable living

このエコビレッジは、Khaled Shorman氏を中心に「環境に配慮した持続的なコミュニティ育成」を目指してつくられた。訪問当時は建設途中であったが、今は宿泊施設が完成し、海外からの研修生や訪問客を受け入れているという。彼は英語が堪能なのでアラビア語を習得していない人でも訪問しやすい。

This eco-village was created under the leadership of Khaled Shorman with the aim of "fostering a sustainable, environmentally friendly community". At the time of my visit, it was still under construction, but now accommodation has been completed and they are receiving trainees and visitors from abroad. He is fluent in English, making it easy for those who have not learnt Arabic to visit.

www.youtube.com

建物の建設で使う材料は、地元で手に入れたリサイクルやアップサイクルのものだ。上記のビデオでは、街で捨てられたボトルをデコレーションとして使用した建物を紹介している。

The materials used in building construction are recycled or upcycled. The video above shows a building that uses discarded bottles from the city as decoration.

 

Buildings under construction

自然を活用した技法も取り入れる。ため池をつくり、水を浄化するシステムをつくる予定だそうだ。

ヨルダンは冬以外、降水量が少ない乾燥地帯であるため、雨水の活用は重要である。ヨルダンは周辺国と比べて水の使用量が少なく、イスラエルなどから輸入に依存している。使用先の半分以上は灌漑に充てられているため、灌漑用水の使用量を雨水活用で減らすことは、他の用途で水が活用できるし、輸入依存度を減らすことにもなる。

Techniques that utilise nature are also incorporated. They plan to build a reservoir and create a water purification system.

Rainwater harvesting is important in Jordan, as the country is an arid region with little rainfall except in winter. Jordan uses less water than neighbouring countries and relies on imports from Israel and other countries. More than half of the water is used for irrigation, so reducing irrigation water use through rainwater harvesting will allow water to be used for other purposes and reduce dependence on imports.

They plan to reuse rain water

 

picture from Jordanian Museum

今後はコンポストや畑をつくっていくそう。海外からのボランティアも積極的に受け入れて一いるそうだ。今はむき出しの地面が広がっている箇所が多いが、変化が楽しみだ。

They are planning to make composting and grow some vegetables in the near future. They are also actively accepting volunteers from overseas. At the moment there are many areas of bare ground, so I'm very excited to see the changes.

一通り紹介してくれたあと、Shormanさんはお茶に招いてくださった。ベランダにソファが置かれ、外の景色を楽しみながらくつろげるようになっている。ヨルダンのミントがたっぷり入った紅茶は美味しい。デーツもつまんだ。

エコビレッジは高い丘の上にあるため、あたり一面を見渡せる。近くのモスクのアザーンの音が反響して、夕闇が迫ってきた。ここでお暇することにした。

After the mini tour of the ecovillage, Mr. Shorman invited me in for tea. A sofa is placed on the veranda which enable guests to relax and enjoy the view outside. The mint tea and dates were so tasty. 

The eco-village is on top of a high hill, so you have a panoramic view of the whole area. The sound of the azaan from a nearby mosque echoed and dusk was approaching. Now, it's time to say good bye. 

best place to chill at :)

(りん)

Geoff Lawtonとパーマカルチャーツアー(ヨルダン・りん)

Farm Report Vol. 6 Greening the Desert Project with Geoff Lawton in Jordan

 

Farm Report Vol.1で紹介したGreening the Desert Projectのサイトに、Geoff Lawtonが来訪。彼はパーマカルチャーの祖であるBill Mollisonから直接指導を受けた人物だ。

まさかヨルダン留学が終わる頃に彼に会えるなんて…巡りあわせってすごい。

パーマカルチャーの技法については以下の記事で紹介しているので、この記事ではこのプロジェクトの簡単な歴史とパーマカルチャーの考え方、資源の分配問題について触れたい。

 

b-girls.hatenablog.com

 

The man in the blue shirt is Geoff

 

 

どうやってはじめたか?

10年以上前、現地の女性Nadiaとパーマカルチャーを指導するGeoffは、ヨルダン西部の何もない土地を購入。最初は、文字通り何もなかったという。資金も、協力する人も、緑もなかったが、地道に続けることで今やヨルダンの農業省の人や、世界中の人々がコースを受講するためにこの地を訪問するまでになった。

壁をつくらない!

はじめは、壁をつくらずに作業していたという。通りすがりの人が、何やってるんだろう?と興味を持ってもらいやすいための工夫だとか。地元の人が本当に興味を示してきたのははじめてから5年後というから継続ってすごい。外国からの支援にも助けられている。LushMuslim Aid Australiaなど、資金提供してくれる企業・団体が現れ、徐々にファームが形になっていった。

around the project site



水がない、本当に?

人が多ければ多いほど水の使用量は増えるので、水資源が限定的な場所では不足となってしまう。ヨルダンでも人口増加による水不足は国の課題の一つとして挙げられている。しかし、Geoffは人が多くても有効活用できる水は十分あるという。そしてそれは「デザイン」の問題だという。

例えばキッチン、洗濯、シャワー、トイレなど、日常生活で水の使用は欠かせない。そこで使われる水は蛇口をひねると出てきて、そのまま下水道を通るのが一般的だろう。しかしそれは一つのデザインにすぎない。つまり、他のデザインだって考えられる。その水を自然の力を利用して浄化し、農業用水のポンプに繋げるというデザイン。こういう工夫がパーマカルチャーの知恵としてあるのだ。

要するに、水資源が不足している地域であっても、デザイン次第でそれがもはや問題にならない…という世界が可能になる。

 

具体的には、ウィッキングベッド(最小限の水で作物が育つシステム)やリードベッド(葦を利用した浄化システム)などをデザインできる。

*これらの詳細は、前の記事で紹介しています🙌

wicking bed

水だけでなく、電気の節約も可能だ。例えば排水時にスウェイル(地面の高さを低くすることで水が自然と流れるようにするシステム。古代ナバテア人が得意とした)を活用できる。

swale

このように問題となっていることもデザインで変えてしまうのがパーマカルチャーの面白さだ。パーマカルチャーの考え方であるProblem is solutionという言葉が体現している。

 

不平等な資源分配

一見これらは、資源不足の地域に限った話に思えるかもしれない。でも私は全世界に共通して重要な知恵だと思う。なぜなら、たとえある地域で資源が豊富にあるように思えても、それはグローバルに見れば不平等な資源分配によって成り立っているだけかもしれないからだ。グローバルノースの暮らしを全世界の人が取り入れたら、地球温暖化ガスの過剰排出によって地球が何個あっても足りないという(参考:carbon footprint)。軍事侵攻で肥沃な土地をまず獲得しようとするのもよくある話。

不平等の責任は、自分がその原因をつくった張本人でなくても、利する立場の人にあると考えている。もちろん文化圏や趣味嗜好によって資源の使用具合に違いはあるから、それを平等にしようとは思わない。そうではなくて、誰もが不自由のない範囲で生活できるような公正さを探究していくべきだ。資源の公正な分配をかなえる一歩として、環境負荷の少ない方法での生活が実践できると思う。そのヒントを提供するのがパーマカルチャーだ。

 

いろいろ書いたけど、単純な面白さからでも、問題意識からでも、パーマカルチャーに興味を持つ人が増えたらいいな、一緒に話してみたいな、と思う。

(りん)

ファーマーズマーケット増えてほしいな(ヨルダン・りん)

Farm Report 番外編  Shams El Balad, Farmers Market in Jordan

 

Thanks givingディナーの食材買い出しのために、ファーマーズマーケットに来た。Thanks givingの日に語学学校の生徒たちで、各自料理を持ち寄ることになった。私は日本食として、現地にある材料で作れそうな肉じゃが(といっても豚肉はハラームなので、肉なしにした😂)を作ると決めた。折角の機会なので、地産地消・無農薬の野菜を手に入れたいと思いやってきた。

 

 

ロケーション

Shams El Baladというお店に併設されている。市街地の一つであるレインボーストリート付近。このお店はWesternisedな感じだけど、おしゃれな雑貨が豊富でお土産選びにも最適な場所。

www.shamselbalad.com

 

ここは無料でハーブ水が飲めて、休憩がてら楽しめる。コップはリユースで良き◎

Mujeb Organic Farm

平飼いたまご、小麦粉、ジャム、ラディッシュ、パプリカ、きゅうり、たまねぎ、かぼちゃ、たまねぎ、レタスが売っている。ここはオーガニック野菜を提供している。

たまねぎを1つ買おうと思ったら、お店の人がいいよって無料でサービスしてくれた…!

ここのファームの製品は、カリフールやセーフアウェイといったヨルダン大手スーパーにも売り出しているそう。ヨルダン産デーツもあった。

Al Majdal Farm

ここは柑橘農家さん。冬なので、旬の柑橘が豊富に並ぶ。ヨルダンはオレンジ(ボルトカーン)だけでなくみかん系(カラマンティーナ)も手に入る。ブラッドオレンジ、ネーブルオレンジ、ジャッファオレンジ、グレープフルーツなどなど。。みかん好きとしてはとても嬉しい。

スイーツ

マーケット内にはスイーツコーナーも。アラク(癖のある蒸留酒)のケーキがある。おしゃれ。

(アンマンにはキリスト教徒もちょこちょこいるので、こんな感じにお酒を扱うお店もある。真ん中がアラクで、水と割ると白く濁る)

ハーブやチーズも売っている。ヨルダンのタイム(ザータル)やセージ(マラミーヤ)ヤギのチーズは美味しい。

スーパーで買い物するのは便利だけど、たまにはこういうところで時間を過ごすのもいいなあと思った。農家さんとお話しできるから、生産者と距離が近く感じる。都会の生活に慣れていると、食材が並んでいるのは当たり前のように思うけど、やっぱり生産者がいないと食材は作れない。私は農家さんのお手伝いをしたことで、自然の恵みと、生産者の苦労や工夫を知ることができた。農産物は天候に左右されやすいから、気候危機による苦労はやっぱり大きい。そういうのをちゃんと知って、ちゃんと消費者として支援したいと思う。知るためには、農家さんの声が聞ける環境がすごく重要。だからこういうファーマーズマーケットって素敵な場だと思う。

まだこういうところはちょっと割高で品ぞろえが限定的なのがネックだけど、地産地消の良さが伝わって、徐々に広がっていったらいいな。

 

*ちなみに肉なし肉じゃがは留学生たちに好評でした(笑)

(りん)

長い夏の終わり…オリーブ収穫体験(ヨルダン・りん)

Farm Report Vol. 5  Samira Farm in Jordan

 

permacultute dudeである語学学校の先生のファームに訪問。先生は農家出身でパーマカルチャーに関心を持っている。今回はオリーブ摘み体験をさせてくれるという!ヨルダンも含め地中海に近いこの地域は、オリーブの生産が盛んでそこらじゅうにオリーブが植わっている。オリーブ収穫を手伝えるなんて貴重な機会。嬉しい!

olives

 

 

ロケーション

ヨルダン北部のAs_Sarif(アッサリーフ)という町。ヨルダンの第三の都市Irbidの近く。

plz ignore my flags..

 

オリーブ摘み体験✨

畑にはオリーブの木々が。土質は、水をかけると粘土のようにまとまる。サラサラしているほうが土の中に空気や水分が行き渡ってよいので、まだ土の改良が必要だそう。


 

オリーブの手入れは年に5回ほど。雑草の除去、剪定、オリーブ摘み、収穫後の枝の剪定をするくらい。水をやる必要は一切ない。雨の水だけで良くて、人工的に水をあげないほうが純粋なオリーブオイルになり高価になるという。厳しい夏を乗り越え、秋になり最初の雨が降ってから収穫するのがベストシーズンだといわれているが、そのあと待てば待つほどオイルが多くとれるという。このファームでは後者の方法をとっている。訪問時期は11月下旬。秋の始まりを告げる冷たい雨が降って数週間たった頃だった。

 

オリーブの木の下にシートを敷き、数人がかりで一つの木に集まり摘んでいく。摘むというよりも、枝の奥を掴んでそのまま下にスライドさせて実を落とすような感じ。オリーブを落とす音は雨音みたいで面白い。収穫中にラップを歌い出す人たちや、畑を駆け回る子どもがいて、こういう時間がすごく好き。

 

ランチ🌞

お昼休憩。ファラフェルサンドイッチと紅茶がふるまわれる。雑談しているとmijwizという伝統的な縦笛を吹く親戚がどこからともなく現れ、さらにどこからともなく現れた隣で男の人が歌う。その人たちを前に一人、二人と手をとり、リズムに合わせてステップを踏み始める。それに追従する人たちがまた一人、二人と増えていき、和が広がっていく。dabkaが始まる。

dabkaのステップは地域ごとに違うそう。この地域は地理的にシリア南部に近いから、その人たちと文化的に共通点が多いという。言うまでもないが、国境は西洋諸国が恣意的に引いている。

dabke

午後の作業、パーマカルチャーを考える

引き続き収穫作業を進める。休憩時、ファームに来ていた人がこんなことをおっしゃっていた。

「パーマカルチャーに興味のある若者って増えているね。でも今やコマーシャライゼーションされている。講座では高額な受講料を請求する機関がほとんど。中身は昔の知恵を集めてるだけなのに。」

たしかに日本もヨルダンもパーマカルチャーの講座やツアーって安くなかった。持続不可能で大量生産型の社会に一石を投じる意味があるパーマカルチャーも、なんだか商業化されちゃうんだなあと思う。でも、ものに付加価値をつけるっていうのは悪いことではないと思うし。資本主義から生まれた知恵って、どこまでが行き過ぎで、どこまでが活用できることなのか今も考えている。。

ディナー🍽

夜ご飯は先生のご実家でふるまってくれた。お客さん用出入口から居間に入る。赤・緑・黒のこの地域では馴染み深い配色のクッションのあるソファに腰掛けると、先生の兄弟の最年少の男の子がアラブコーヒーを注いで渡してくれる。コーヒーは苦手な私でも、この一口で飲み干せるくらい小さなカップに入ったカルダモンの香りするコーヒーはなんとか飲める。そして、最年少が配膳をするのは日本でも同じだなあと思う。

キッチンで料理しているのは誰かというと、女性たちである。キッチンと居間は完全にセパレートになっていて、そこで働いている女性たちはお客さんからは見えない。しかも料理を運ぶのは大抵その家の男性たちで、女性たちと客人が一緒に食事をすることはあまりないそう。それが防犯機能になっているのかもしれない。この家では、先生が家族を紹介するといって女性たちも居間に呼んでいたけれど。

kan zaki katir!!

さて、運ばれてきたのは、Kabsaというお肉、野菜、ナッツが入っているスパイスのきいたライスと、チキン、パセリのきいた角切り野菜のタッブーレサラダ。ヨルダンの食事は、特にこういう訪問客がいる場合だと、写真のように銀色の大皿に載せられてバイキングみたいな形式になっていることが多い。お客さんが増えても取り皿を増やせば済むから気軽な感じがする。

オリーブオイル製造所

夕食後は、収穫したオリーブを近所の工場でプレスしにいく。完全に日が落ちた夜だけど、男たちでいっぱいなことにびっくり。お父さんについて来たであろう子供も元気よく走り回っている。小さなお店もあってお菓子も売っているようだ。待合室のようなところもあった。

袋に詰めたオリーブをここに出していく。

オリーブの実をつぶして、オイルにするまで数分ほど。

出来立てのオイルの試飲もしてみたけど、いくら新鮮でもただの油なので、単体では美味しいとは思えない(笑)

 

olive oil

 

harvest!

難民キャンプ

帰りがけ、たまたま難民キャンプを通った。でも先生にいわれないとキャンプだとわからなかった。家や商店があって、何の変哲もない町の中だと思った。中東戦争からもう数十年経っているから、簡易的なテントでなくて当然だともいえる。

一見、名ばかりで、難民たちはこの家で不自由ない生活をしているように見えるかもしれない。でもここに住む人は土地を持っていない。そして、この場所を上空からみると、家々は長方形のコンクリートの塊みたいになっている。つまり家同士の隙間はほとんどなく、永続的に住む場所として建てられたのではないことがわかる。また、この地域の学校は国連によって運営されている。

refugee camp

町の中の壁には、アラファトが巻いていたようなクーフィーヤや、エルサレムのアルアクサモスク、BDS運動のマスコットキャラが描かれている。パレスチナからの難民だ。パレスチナからの難民は、登録されている人数だけで28万人以上もいるという。

ヨルダンには、170万人以上の難民がいる。パレスチナ、シリア、イエメンなど周辺地域から難民が押し寄せている。日本だとたった一握の人しか難民として認定されないから、難民なんて教科書やニュースの中の違う次元の話になっている。でもヨルダンには、日常の中に当たり前に難民がいる。たしかに紛争は起こっていて、その中で人々が生きていることを幾度となく感じる場所だ。

 

(りん)

2022年5月7日_インド入国・日本帰国情報について

【観光】インド入国・日本帰国情報について

 

皆様、お久しぶりです!RIです!

2022年のGWにインドに8日間滞在して参りました!

   


入国・帰国でとっても神経をすり減らしたので、何かのお役に立てれば、、、と思い、インドの入国や日本帰国に関する必要な書類やプロセスについてまとめてみました。


※こちらの情報は、2022年5月7日現在の実体験に基づく情報です。最新の情報は必ず確認してください。


☆インド渡航・入国について☆

2月10日更新・Ministry of Health and Family Welfare,Government of India

https://www.mohfw.gov.in/pdf/GuidelinesforInternationalarrivalsupdatedon10thFebruary2022.pdf

 

インド入国時に必要なもの

①VISA・ETA(E-visa Tourist)

→はじめての方は搭乗券が必要。

Air Suvidhaの申請・コピー

・搭乗券の情報

・72時間以内のPCR 陰性証明書(@木下グループ)

・ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート・1週間かかるので余裕を持って市区町村に申請。)

 

インド渡航PCRについて(72時間以内)

木下グループでの証明書でOK。都道府県による″無料″の検査も可。検査後、21時間後に結果が届き、AirSuvidhaに提出+マレーシア航空でのカウンターでも、問題なく通過しました。


Air Suvidhaについて

インド入国前に提出必須なもの。航空券やパスポートの情報に加え、ワクチンパスポート・PCR陰性証明書(サイズ1MB以下)で提出する。申請が終わったら、紙で印刷しておく!(空港のカウンターではチェックされましたが、入国審査では求められませんでした。)

 

www.newdelhiairport.in


観光VISAについて

現時点(2022年5月7日)では、Arrival visaはまだ復活をしていないので、オンラインで事前に申請が必須。


3月15日付けで有効期限が復活された5年間の観光e-visa(2020年1月発行・Multiple)で無事に入国しました!

ただ入国審査の際、一度別カウンターに移されました。e-visaは、復活されているはずなので、確認してほしいと懇願しました。


それから以下の内容を読んでいただき、「職業、目的、インド渡航は何回目か。」等の事情聴取されましたが、無事に入国許可となりました。

 

E-visa復活について

→Bureau of Immigration Ministry of Home Affairs

Restoration of Tourist/e-Tourist Visa for Foreign Tourist


👉今回初めて(有効期限切れも含む)申請される方は、下記から申請をしてください。


・E-visa申請先

→Government of India |インド政府

e-Visa


【VISA申請における注意点】

・入力項目が多いのと、プロセスに時間がかかるので早めに申請をしておくのがベター。

・詐欺サイトがあるので気をつけてください。実は私、途中まで入力してしまったので、怒涛のメールが届いています笑

・Arrival visaの発行は現時点でも不可。

 

※補足※インド国内の州移動について

私のいた陸路・空路ともに規制は特にありませんでした。

以下、旅程を載せておきますね。

8日間で、カルナータカ州・バンガロール→(飛行機移動)ケララ州・コーチン&アレッピー→(電車・Cab移動)タミルナドゥ州・カニャークマリ→(電車移動)ケララ州・トリヴァンドラム→(飛行機移動)カルナータカ州・バンガロールに移動。


☆日本・帰国について☆

5月7日現在、72時間以内のPCR陰性証明書が必要です。入国拒否を防ぐため、ファーストトラックの利用をオススメします。また、帰国後の隔離は、指定ワクチンの接種3回で特になし・公共交通機関の利用可。

 

ファーストトラックについて

事前に入国時の検疫審査を申請することで、スマホの画面提示をすれば、紙書類の提出が必要なくなるというもの。入国拒否となるとヒヤヒヤなので、事前に申請することで安心感はありますね。降り立ってから登録だと時間がかかるので、やっておく方がベター。

ファストトラックのHP


【ファーストトラックの注意点】

・搭乗便到着予定日時の6時間前までにアプリ上での事前申請を完了する必要あり

・利用できる空港は制限あり。上記のリンクから確認してください。

・MySOSのアプリ仕様を帰国用に切り替える。もし違う画面が表示されていたら、以下のURLから登録→切り替える。

https://mysosp.page.link/sfY2kRrviv4t4eFy7

・質問票_トランジット等で複数の便がある場合

→どちらかの便を記入。恐らく、日本到着便の方が良いかなと思います!


日本・帰国用PCRについて(72時間以内)

検査証明書の提出について|厚生労働省


私が受けたバンガロール(ベンガルール)のOrange Healthでは、厚生労働省のフォーマットでは断られ、カルナータカ州政府が指定したフォーマットでの発行のみ可とのことでした。


上記には、3点(生年月日・国籍・検体採取日時)ほど抜けているので、コメント欄に追加をお願いしましょう!f:id:b_girls:20220509161154j:image

※若干クリニックによって異なるので事前に要確認。

まず、生年月日・国籍についてです。

厚生労働省のQ&Aには、厚生労働省の指定フォーマット以外のものについては、2点が抜けていると審査に通らないとの情報もありましたのでお気をつけください。

 

特に私は、検体採取日時でファーストトラックの審査に何度も落ちました。

     

どうやら″recieved on:″では、検体採取とは見なされないので、コメント欄に″Sample collected on:07/05/2022/10:00AM″の追加をしていただくよう医療機関にお願いしました。


最初はNOの一点張りでしたが、何度も頭を下げてから数時間後に、アップデートされたデータが送られてきました!再申請したところ、無事に緑画面になり有効となりました!

  

※あとは入国時にQRコードの画面を表示するだけ✨

 

【Orange Health利用時の注意点】

・OTP発行のためインドの携帯電話番号が必要。(友達や知り合いのものでも可。)

・オンライン決済(費用:750ルピー、約1500円弱)のみ対応。

・必要事項が抜けているので追加の依頼が必要。(問い合わせ時間: 6:30AM-10:00PM)。


何かあればwhatsappにて問い合わせがすぐに出来るのは救いでした👏✨

ぜひ、バンガロール(ベンガルール)でスムーズに行く医療機関があれば教えていただきたい…

 


それではみなさん、ご質問等あればコメントにて!

 

#日本帰国PCR #渡航PCR #木下グループ #インド渡航 #インド入国  #インド観光 #インド観光visa #インド観光ビザ 

 

日だまりとお茶と。Boyoudha Village見学記録(ヨルダン・りん)

Farm Report Vol. 4 Boyoudha Village in Jordan

 

第2回目の訪問記録はこちらをどうぞ。

b-girls.hatenablog.com

 

 

ロケーション/Location

アンマンより西のAs-salt (サルト)。

ヨルダン首都アンマンでもオリーブの木がたくさん植っているけれど、サルトのほうは同じオリーブの景色でも、もっと穏やかだ。アンマンの雑踏はここにはない。日本の常緑樹に親しみを持つ私にとって、オリーブの木の色のすすけた感じにはいまだに驚くけれど、サルトの一面オリーブの木の風景は、雲ひとつない鮮やかな空の色によく似合う。空の青も、同じ地球でこんなに違うなんて知らなかった。広い大地の心地よい空気を大きく吸い込んで、ファームに向かう。

 

goo.gl

 

今回行くのはBoyoudha Village。アンマン・パーマカルチャー・エキシビション(下記リンク参照)でお茶を売ってたところ。オーガニックの美味しいマラミーヤ(セージティー)を買った。

As-salt, west of Amman.

This time I went to Boyoudha Village, where they were selling organic tea at the Amman Permaculture Exhibition (see the previous blog).

ammandesignweek.com

代表らしき女性に事前に連絡をとり、ファームの住所は知っていたけれど、標識も表札らしきものもない。とりあえずここかな、と思って入ったら案の定、間違えたお家に訪問してしまった。でも親戚だった。その親戚のお母さんは、まあまあとりあえず座りなよ、というような雰囲気で、優しくお茶に招いてくださった。摘みたてのザータルをお茶に浮かべて。

 

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ザータルの紅茶

お家の前でお茶をしながら、たくさん植わっているオリーブの木が目に入る。

オリーブは枝の剪定、雑草取りをする以外、手入れの必要がないという。水やりもしなくて大丈夫。雨水だけで十分生きていく力を持つ強い木だと、お家の方が教えてくれた。

このご家族が管理しているオリーブの木から、2000個ものオリーブが収穫できるそう。近所にオリーブオイル・プレスがあるので、収穫後はそこでオリーブオイルにして売り出すみたい。

 

のんびりしすぎました。Boyoudha Villageで中心的に活動する女性とようやく合流。その方もご近所さんとバルコニーでお茶をしていたみたい。いい時間の流れだな。

ファームのツアーをしてくださるということで、後をついていく。

We got lost on the way to reach the farm and ended up in the wrong house (but found it was their relative's house). The woman opened the door and seemed to say (because I did not fully understand Arabic), "Well, just sit down," and kindly invited us to tea with freshly picked zathar from her garden. 

While enjoying the zathar tea, I recognized the countless olive trees around the house. Olive trees do not need to take care besides cutting branch and weeds, she said. Even watering is not required because rain water is enough to grow them. Two thousand olives can be picked from their farm and they are brought to the oil press which is near the farm. The family sells the olive oil to Jordanian family.

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Olive tree planted next to their house

ここからは8つの項目に整理してファームの様子を紹介します。

 

豊かな土壌づくり/Creating rich soil

①動物と共につくる/With animals

チキントラクター/Chiken tractors

良い土を作りたいところに鶏を放しておけば、足で土をひっかき耕してくれる(チキントラクターと呼ばれる技術)。動物の力を借りれば作業が効率よくできる。また、食用として卵がとれる。鶏もかわいらしい。

chickens

If you release chickens where you want to make good soil, they will scratch and till the soil with their feet (this is known as chicken tractors). With the help of animals, work can be done efficiently. They also produce eggs for food and what's more, they are adorable.

 

ハト/Pigions

ハトも飼育している。Farm Report Vol.4で紹介したピジョンタワーのように、堆肥のために飼育する。また食用としても。ハトは特別な世話が必要ないらしいので、人間の負担も大きくない。

Pigeons are also kept for compost, as in the Pigeon Tower described in Farm Report Vol. 4 and for food. Pigeons apparently do not require special care, so the burden on humans is small.

 

ヤギ/Goats

ヤギも同様に肥料を作ってくれる。動物の種類によって堆肥の成分が異なってくるので、使い分けているのだと思う。

goats

Goats make manure as well. Different animals make different components of compost, which is why they are used differently I suppose.

生ごみではなくコンポスト/Not waste, but composting

食べ物をごみとして捨てるのではなく、肥料にする方法が「コンポスト」。腐って虫が出て失敗するケースもあるけど、ちゃんと発酵できると、匂いもなく虫も発生しない。ここでは黒いシートをかけて日光を集め、微生物の分解が進むようにしてる。

Composting is a method of turning food into fertiliser instead of throwing it away as rubbish. There are cases of rotting and insect infestation, but if the food can be fermented properly, there is no smell and no insect infestation. Here, black sheets are used to collect sunlight so that the decomposition of the microorganisms can proceed.

composting



また、コンポスト以外の使い道も。ザクロを乾燥、粉末状にして、オイルにしたものを胃の薬として使えるみたい。ザクロと健康には物議があるみたいだけど…?栄養系の知識もつけていきたいなあ。食べきれない量を収穫できたら、多様に活用していけるのはすごくいい。

It also has uses other than composting.  They make dried pomegrenates powdered and turned into oil, which can be used as a stomach remedy. It seems the effects of pomegranates on health controversial...but I'm very curious to learn more about the nutrition. It would be great to be able to use them in a variety of ways if you harvest more than you eat.

③土質を変えるカバークロップ/Cover crop changes the soil quality

カバークロップとは、収穫のためではなく、主に土壌侵食や栄養素の損失を防ぐために作物を使用する技術。ここでは、ザクロのカバークロップによって、土壌の酸性が高まると、どんな土質の変化が起こるかを実験しているそう。

pomegranates

Cover crops are a technique where crops are used primarily to prevent soil erosion and nutrient loss, rather than for harvesting. Here, they are experimenting to see what changes in soil quality occur when the acidity of the soil is increased by a pomegranate cover crop.

 

環境配慮の育成法/Environmentally friendly cultivation methods

コンパニオンプランツ/Companion plants

コンパニオンプランツ。ある特定の組み合わせの植物を一緒に植えることで、虫を寄りにくくする(チャイブ×トマトなど)。殺虫剤など農薬の代替となる技法だ。農薬は便利だけれども、土壌を疲弊させ、持続可能な方法とはいえない。

Companion plants is planting certain combinations of plants together (e.g. chives x tomatoes) to make them less likely to attract insects. This technique is an alternative to pesticides such as insecticides. Pesticides are convenient, but they deplete the soil and are not a sustainable method.

companion plants

17の村があるこの地域では、地域の人々によって、農薬の使用を禁止する法がつくられた。自然環境を第一に考え、農薬に依存しない方法がベストだと自分たちで決めたなんて。この自治精神は先進的すぎる…!😮

 

さらに女性は、アメリカではモンサントが大切にされているかもしれないけど、ここでは環境を大切にしているの、と話す。だからモンサントの種子は使わないし、農薬も使わない。それらに依存せずとも、ちょっとした工夫で環境に良い選択はできる。

 

In this region of 17 villages, a law banning the use of pesticides was created by the local people. It's incredible that they decided on their own that the best way to protect the natural environment. This spirit of self-government is way too progressive...! 😮

The woman further says, "Monsanto may be valued in the US, but here we value the environment. That's why we don't use Monsanto seeds and we don't use pesticides. We don't have to depend on them, but we can make good choices for the environment with a little ingenuity."

 

⑤廃棄物がマルチに生まれ変わる/Waste transforming into multi

マルチは、雑草などで土壌をカバーすることで、土壌の乾燥や雑草育成を防ぐ方法。ここでは、ヨルダンの都市部で剪定された木の葉っぱを捨てられる前に引き取って、マルチとしてリユースしていた。こういう都市部との連携も魅力的。

Mulch is a method of covering soil with weeds and other materials to prevent soil drying and weed growth. Here, leaves from trees pruned in urban areas in Jordan were taken before they were thrown away and reused as mulch. This kind of urban linkage is also attractive.

reused multi

⑥自然浄化装置/Natural Purification System

家庭用排水を浄化する仕組み。Farm report vol.1で紹介したように、大きめの石からだんだん小さい石を敷き詰めるようにしていくと、それがフィルターの機能を果たしてくれる。この水を水やりにリユース。降水量の少ない乾燥地帯のヨルダンでは、水を無駄にせずに最大限活用することが本当に重要。

A system for purifying domestic wastewater, as described in Farm report vol. 1, by gradually laying down smaller and smaller stones from larger stones, which then act as a filter. This water is then reused for watering. In Jordan, an arid region with low rainfall, it is really important to make the best use of water without wasting it.

graywater filter

生産物の管理/Management of Productions

⑦食品の保存/Food Strage

乾燥オクラ/Dry Okra for winter

ヨルダンは乾燥していて農業に一見向いてなさそうだけど、「乾燥している地域だからこそ活かせることがある」と女性は言う。そんな姿勢が素敵。収穫したオクラの一部は、冬の食料として備蓄するんだって。

オクラはヨルダンでは定番野菜。オクラと玉ねぎ、にんにくのトマトソース煮込みや、オクラのスープはアラブ地方でメジャーなメニュー。

Jordan is dry and at first glance does not seem to be suitable for agriculture, but the woman says, “Drying is also thing” and can be advantage. Such an attitude is impressive😳✨ She says that some of the okra harvested is stockpiled as food for the winter.

drying okra

⑧地域での販売/Local market

Villageの製品/Products from this village

蜂蜜、ジャム、お酢、お茶など。この地域の50もの農家さんが、共同で製品を出してるみたい。地域内では、作物を物々交換をすることもあるそう。

Honey, jam, vinegar, tea, etc.  Approximately 50 farmers in the area jointly produce these products. They sometimes barter their products within the community!

products from this farm

自然との向き合い方/Live with nature

This is very symbolic.

ありが大麦を運んでる。一見損失だけど、女性は「そのままでいいの」と見逃している。この農場では、人間中心主義ではなく「環境やコミュニティにとって利益になるだろうか」という姿勢が貫かれていた。ここでは自分だけの利益増加が考えられているわけではない。女性は、国際機関をはじめとする「大きな機関」から資金を受け取り農業をする選択肢もあると言うが、「私たちはその選択しない」と言っていた。「大きな機関」による「経済的な豊かさ」を増加させるプランに乗るのではなく、自分たちを取り囲む自然環境の豊かさや、社会関係の豊かさをより大切にしたいという考えを持っていた。

乾燥地帯で貧困世帯が多い地域で農業をするなら、パーマカルチャーという方法を提案すればいいのでは?と思って私は留学計画を書いた。トビタテで発表しても多くの人は面白いねと言ってくれたし、何なら市場拡大のためには輸出も考えなきゃね、とも言った人もいた。

留学中、ヨルダンで偶然、無農薬栽培を行う農家さんに出会った。そこで行われている内容がまさにパーマカルチャーだった。でも農家さんは、海外のパーマカルチャー(そもそもこの言葉が英語だし)を取り入れたわけではない。元々先人の知恵として伝えられたものを地域内で実践していて、それがたまたまパーマカルチャーと一致しているだけだと言っていた。私はある地域から学ぶよりも先に、大きな経済力を持つ先進国の一員として、そこに何かを教えてあげようとしていた。「利益」がそこでどんな意味を持つものなのか知らずに。

 

An ant is carrying a grain of barley. It looks a loss, but the woman misses it, saying that it is fine as it is. On this farm, the attitude was not anthropocentric, but rather they always ask themselves whether this will benefit the environment and the community or not. Increased profit for oneself alone is not a goal here. The women said that there is an option to receive funding from 'big institutions', including international organisations, to farm, but 'we don't make that choice'. Rather than taking part in plans by 'big institutions' to increase their 'economic richness', they wanted to value more the richness of the natural environment that surrounds them and the richness of their social relationships.

If you want to support a farm in an arid and poor region, why not propose a method of permaculture? So I wrote this plan and presented it at Tobitate, and then many people said it was interesting, and some even said I should consider export to expand the market.

During my stay in Jordan, I happened to meet an organic farmer. What was being done there was exactly permaculture. But they did not adopt permaculture from abroad (permaculture is an English word in the first place). They said that they were practising what had originally been passed down to them as wisdom from their ancestors, and that it just happened to coincide with permaculture. I was trying to teach them eroquently something there, as a menber of "well-orderd society", rather than learning from them. Without knowing what 'profit', 'richness', 'wealth' meant there.

 

ツアーの最後には、ご飯食べていきなよ、と誘ってくださった。簡単なものしかないけど、せっかくだからゆっくりしていきなよ。私はちょっと仕事をするから一緒にはいれないけど、と。あたたかい日差しがそのまま遠くへ逃げないで、地上に浮遊しているような日だった。やわらかい日だまりに照らされた景色は暖色のフィルターをかけたみたいだ。平穏という言葉がしっくりくる。数十キロ先の冷酷さはまだ知らない。そう、あたたかい日差しの描写は『沈黙』にも出てくるじゃないか。とにかくあたたかさに包まれた一日だった。

Lunch on the balcony:)

(りん)